しゅごキャラ!/朝の光で知りえたこと


「ん……」

 カーテンの隙間から、心地よい光がこぼれている。
 チュンチュンと小鳥の鳴き声が聞こえ、ようやく亜夢は目を覚ました。

 うつ伏せのまま身体を起こそうと試みるが、どうにも力が入らない。ぐ、と枕を支えにして、亜夢はどうにか顔を上げた。

「……いてぇ」

「!?」

 いつもと違う枕の感触に、亜夢は目を見開く。そしてゆっくりと、隣に視線を移した。
 そこには、痛そうに顔を顰めた幾斗がいて。亜夢は、一瞬ですべてを思い出した。

 昨夜、自分たちの結婚式があって。遅くまで友達と飲んでいたにもかかわらず、更にそこから愛の営みが始まってしまい。今に至るのだった。

「……」

 安心したように、幾斗はぐっすりと寝息を発てている。そっと幾斗の額に口づけ、亜夢はまた布団の中に潜っていった。

 ずっと昔、まだ幾斗がイースターに囚われていた頃を思い出す。亜夢の部屋に3日間居候して、朝を共に迎えたことはあったはずなのに。
 今朝は、何故かとてもくすぐったかった。それはきっと、二人の関係の変化のせいだと思う。

 夫婦として初めて一夜を共にした今日の朝の光を、亜夢はきっと、一生忘れない。
 亜夢と、そして幾斗にとって第二の人生が始まった、朝の光を。


しゅごキャラ!/朝の光で知りえたこと■END