しゅごキャラ!/冗談に混ぜ込んだ本気
「イクトって、何月生まれなの?」
そういえば、と急に聞きたくなって、亜夢は幾斗を向いた。
「12月」
素気なく、幾斗は亜夢を見ずに答える。
「何日?」
亜夢は、続きを聞くが。
「……1日」
幾斗は、完全に勉強する意欲を奪われてしまった。シャープペンシルを机に置いて、亜夢に視線を送る。
「12月、1日……って」
はっ、と気付いて、亜夢は声を上げる。
「今日じゃん!!」
何の用意もしていないのに、と亜夢は慌てて立ち上がり、バッグを手に取った。
「ちょっと、何か買ってくるっ」
そう言った亜夢の手を、幾斗は掴まえて。にっこりと微笑めば、そのまま亜夢を引き寄せ、ベッドに押し倒した。
「金じゃ買えないものを貰うから」
「……へ?」
嬉しそうに、口元を綻ばせて。幾斗は、亜夢の衣服に手をかけた。
「……あたし?」
「当たり」
気付いたときには、すでに遅くて。亜夢は、流されるように幾斗に身を委ねたのだった。
(誕生日だし。ま、いっか)
幾斗の発情は万年のことなので、誕生日でなくても変わらないのだが。
幾斗に身を委ねることを正当化するように、亜夢は自分に言い聞かせたのだった。
しゅごキャラ!/冗談に混ぜ込んだ本気■END